貨物を輸送する船の中でも、特定の港からさらに特定の港へ、決まった航路を決められたスケジュールに従って輸送をする際に利用されるのが定期船です。あらかじめ船会社からいつどのような航路を辿って貨物が運ばれてくるのか予定が公表され、さまざまな荷主から荷物を受け取り輸送、集荷します。

定期船として通常利用されるのはコンテナ船、または在来型の貨物船などで、航行速度が速いこと、悪天候でも予定通りに荷物を運ぶことができるスペックを有しているものが用いられているのが特徴です。特にコンテナ船は船から陸路で使用されるトラックや貨物列車等への積み替えが容易であることから、積極的に利用されています。また、輸送する貨物は家電品や衣類などの一般的なものが主流です。日本国内から出ている定期船の航路は世界各国に巡らされており、サービスの充実を目的として海外の大手船会社とも共同運航組織が組まれています。

この定期船、いわゆるライナーに対して必要に応じて利用される不定期船、トランパーもあります。こちらは運ばれる貨物も鉄鉱石や原油といったバラ荷が主で、1回で運ぶには量が多いという時などに、荷主が必要に応じてチャーターして利用する貨物船です。