GLOSSARY
用語集
運送約款
運送約款は貿易取引において、運送人があらかじめ定めておく約款(契約条項)のことです。
物品の運送人は運送契約を締結することによって運送を引き受けますが、大量の取引を安全・迅速に行うために、定型化された普通約款をあらかじめ定めておきます。これが運送約款になります。
運送人は標準化された運送約款を定めることにより、不特定多数の客と大量に交わす必要のある契約を効率化できるのです。
ただしこの運送約款を定めるには、国土交通大臣の認可を受けなければなりません。
また約款の内容を変更する場合にも同様に認可が必要になります。
運送約款の認可の際には、公衆の正当な利益を害するおそれのないものであることや、運賃や料金に関する事項が明確に定められていることが必要になります。またこの約款は、主たる事務所その他の営業所において公衆に見やすいように掲示しなければならないとされています。
実際の運送約款の代表的な例として「標準貨物自動車運送約款」がありますが、ここには荷主の正当な利益を保護するための運送事業者の責任など、取引に関する基本的な事項が定められています。運送事業者の多くはこの標準貨物自動車運送約款と同一の内容を自社の約款として定めることで、事実上認可を受けたものとみなされています。