貨物の移動にかかる基本運賃には、品目別にかかってくる運賃と品目に関係なく無差別に課せられる2つの種類があります。前者は貨物の特性上の運送コストや材質などに応じて設定されている運賃となり、後者はこうした特性とは別にコンテナの重さや量によって決められる運賃で、昨今、大量の荷物をスムーズかつスピーディに移動させることが可能になったコンテナ運送が発達したことで浸透しました。

そして、こうした基本運賃の他にも貨物の輸送にはサーチャージが加算されます。燃料費の高騰により課せられるBAF、燃料費調整係数や混雑時の割増料金、PCSなどいくつか挙げられますが、その1つがYASで、円高によって為替の価値に差損が生じた場合に、海上料金が割り増し調整されるというものです。Yen Appreciation Surchargeの頭文字で、そのままヤスと読みます。

通貨変動調整係数、CAFというサーチャージも通貨為替のレート変動により適用されますが、YASはこのCAFの代わりに東南アジア航路などを対象として日本円高騰の際に課徴されるものです。指定された期間中、平均為替相場が1ドル120円を超過した際に損失補填に宛てられます。