CASE OF FAILURE
輸入ビジネス失敗事例

全額前払いに応じたら商品が届かない場合の原因と対処法

全額前払いに応じたら商品が届かない場合の原因と対処法

輸入ビジネスで多いトラブルに、契約・代金・保険に関するものがあります。今回は、全額前払いに応じたら商品が届かない場合の原因と対処法をお伝えいたします。これを学んで、失敗できない輸入ビジネスを手に入れてください。

事例

初めての取引相手だったが、全額前払いの条件だった。相手の会社の信頼性を確認せずに取引に応じたら、商品が届かなかった。


まず、重要なポイントは初めての取引相手とは、全額前払いの条件に応じないことです。この事例は、展示会で少量のサンプルをオーダーしたところ「少量でも、サンプルは有料です。料金は3万円になります。送料も別にかかります」と言われ、その場で支払ったのですが、その後サンプルは届かず、連絡をとっても一向に返事が来ませんでした。

裁判にする?準拠法って?

大金を払って石ころが届いたり、商品が届かなかったりした例もあります。こういう場合、裁判にするという方法も、無いわけではありません。

裁判の場合、準拠法という契約書が争点になります。準拠法とは、どこの法律に基づいてさばかれるのかということです。

契約書は輸出者が作るものと、輸入者が作るものがあります。それぞれ自分にとって有利なように作成されているのです。日本の輸入者が作る契約書には「裁判は東京で行なう」と記載しますが、輸出者が作る契約書には「裁判は自国で行なう」となっているのが普通です。

どちらで裁判を行なう際でも、たとえ勝訴しても、確実に取れるかどうかは保証の限りではありません。「毎月5000円ずつ10年支払い」といった提案が出たとしても、とうてい現実的な解決策とは言えないでしょう。

また、中国で訴訟を起こした場合、まず勝てる見込みはないと思っておくべきです。

対処方法

全額前払いというのは、相当強硬な条件ですので、いったん様子を見た方がいいでしょう。だいたい30%前金で、残り70%は船積後に決済する条件が常識となっています。何があっても、初めての取引相手に全額を前払いするようなことはしてはいけません。

裁判に訴える手もありますが、事実上、経費倒れする場合も多いです。金額に応じて訴求するかどうか判断しましょう。

関連記事

記事はありませんでした

JA/EN
ページトップに戻る