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輸入取引応用編 関連業務
為替リスクと回避法
目次
外国為替とは?
外国為替とは、お互い遠隔地にいるもの同士が、その貸借関係を決済するのに、実際現金を輸送することなしに、金融機関を通じて送金、手形、小切手などの信用手段を使って決済するしくみをいいます。
外国との貿易取引の代金決済についてですが、支払い条件が日本円以外の場合は、円を相手国の通貨に交換する必要があります。
その異種の通貨間の交換比率を外国為替相場(Foreign Exchange Rate)といいます。
為替リスクと回避法について
為替リスクとは、前にも述べたように日本円以外での代金決済の場合、為替相場の変動から発生する損失をいいます。
たとえば、輸入契約がドル建ての場合でみてみましょう。
契約時には1ドル 105円だったとします。ところが決済時には円安に振れて110円になったとすれば、1ドル当たり5円の損失が生じることになります。
たまたま円高になって得をする場合もあるでしょうが、見込みで動くことはリスクがあります。事前に十分な対策を立てておくべきです。
為替リスクを回避(ヘッジ)する方法として次のような方法があります。
為替予約と通貨オプションの利用
為替予約と通貨オプションとは、貨物を受け取る際に必要な外貨の為替相場を事前に予約して決めてしまう方法です。
為替予約とは、たとえば1ドルを3ヶ月後に105円で買うことを予約確定させてしまえば、3ヶ月後の相場が110円であっても1ドルを105円で交換することができるということになります。これだと予約した価格で外貨と交換することが約束されているので、採算ラインを確定しやすくなります。
しかし反面、決済時に予約時よりも有利になっていたとしても、予約時に決められた価格で交換しなければならないということもおこり得ます。このデメリットを解決するものに通貨オプションとよばれるものがあります。
これは、今の例のように1ドル105円で予約をしていたものが、期日のレートが予約レートより円高、たとえば100円になった場合は予約をキャンセルして安い市場レートで輸入決済ができます。反対に市場レートが円安、たとえば110円になった場合は、最初の1ドル 105円で決済できるシステムです。
このシステムを利用すれば、期日の市場レートを確認してから、オプションを使うのか、キャンセルするかを選択することが可能になります。多少の手数料はかかりますが、現在もっとも有効な手法として幅広く利用されています。なお、輸出取引の場合は、まったく逆の手続きをすればいいことになります。
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