IMPORTBUSINESS
輸入ビジネスとは

日本の見本市に出展する①〜事前の準備〜

日本の見本市に出展する①〜事前の準備〜

海外の見本市から帰ってきたら、日本の見本市に出展する準備をします。

日本の見本市はマーケティングの場であると同時に、セールスの場でもあります。

海外に行き、サンプルを日本に持って帰ってきた商品を、今度は日本の企業にどうやって知ってもらい、どうやって買ってもらうのかが問題です。

一社ずつ、見知らぬ会社を営業して歩いた日には、何年かかるかわかりませんし、効果的とは言えません。門前払いを食らうこともあるでしょう。

そこで、日本の見本市に出展するのです。そのジャンルの商品に興味のある人が集まっている場所に、自分から行った方が早いのは当然です。

仮に、その見本市にバイヤーが20万人来場したとします。もちろん、全員があなたの商品を見てくれるわけではありませんし、興味を持ってくれるわけでもないでしょう。しかし、そのうちの100~200人位はあなたの商品に興味を示してくれます。その人たちに対してセールス活動をすればよいのです。

万が一、誰一人としてあなたの商品に興味を持ってくれなかったとしても(そんなことはまずあり得ませんが)、それはその商品が日本では需要がなかった、と知ることができるのですから、実際に商品を輸入する前にリスクを回避できたことになります。

また、改善点をお客様から直接聞くこともできるでしょう。見本市というのは、輸入販売する前にお客様の生のリアクションがもらえる貴重なマーケティングの場なのです。

見本市は誰でも出展できる

日本の見本市は誰でも出展できます。出展費用については、60~70万円もあれば充分です。

仮に出展費用が70万円だとして、100人のお客様が見に来てくれたとします。お客様一人あたり7000円です。これは見込み客の獲得にあたって、非常に安価なコストといえます。

しかも、来場者のほとんどは会社の代表かバイヤーです。いわば、脈ありのプロのお客様ばかりなのです。短期間で集中してマーケティングと顧客の獲得が見込めるので、時間的なコストも抑えられます。

「見本市に出展する」というとハードルが高く思えるものです。

「見本市に出展できるのは大きな企業」というイメージで、小さな会社や個人レベルで出せないと思っている人がほとんどでしょう。

私も最初は、「いつかこういう所に出せる業者になりたい」などと思っていました。見本市に出展できるのは、大企業か、特別な業者だと思っていたのです。

ところがある時、意を決して出展を申し込んだらあっさりと通りました。

知らない人が多いのですが、日本の見本市には、出展の審査はほとんどありません。個人であっても、小規模の会社でも出せるのです。

これまで営業は頭を下げてするものだと思い込んでいたのですが、自分が仕入れた商品を見に来たお客様が、こちらに頭を下げてくれるのです。

「うちでこの商品を扱わせていただけませんか?」

大手企業のバイヤーが、このように頭を下げてお願いしてくるのですから、驚きです。

出展した瞬間、世界が変わりました。自分がメーカーの側に立っていることに気づいたのです。

海外の見本市でこれはという商品を見つけたら、ぜひそのサンプルを日本の見本市に出展してみましょう。

帰国したらサンキューレターを送る

海外の見本市から帰国したら、まずサンプルオーダーをしたメーカーにお礼のメールを送りましょう。

サンプルが届くまでは、新商品や試作品的なものであれば、1ヶ月から2ヶ月位かかることもあります。見本市では試作品を展示していることが多く、その後、改良を加えることがあるため、時間がかかるのです。

このサンプルを待っている間に、見本市に出展する準備をしましょう。

後述する、日本の見本市の主催者への申し込みやどのようなブースを作るのか業者と話し合ったりする時間に使うのも手です。

日本向けにパッケージをアレンジしてもらう

サンプルが届いたら、まずその商品が見本市の会場で見たものと同じものかどうかをチェックします。

万が一異なったサンプルや、欠損した品が届いた場合は、その部分を写真に撮ってメールすることで、速やかに対応してくれます。

また、取扱説明書の翻訳の準備も必要です。

翻訳した取扱説明書をどの段階で箱に入れるのかというと、翻訳したものをPDF等でメーカーに送って、梱包する時点でメーカー側に入れてもらうのがベストです。

外国の品はパッケージに無頓着で、場合によっては林檎を入れる木屑の中に入っているような商品もありますので、日本向けにアレンジして作り直してもらいましょう。日本の美しいパッケージのサンプルをメーカーに送り(類似商品のものでもかまいません)、それをひな形にして作り直してもらうように依頼します。その際、日本ではパッケージも一つの商品として見る文化があることをしっかりと伝えましょう。

見本市で必要なものをそろえる

パッケージや取扱説明書などを日本向けにアレンジしたら、いよいよ日本の見本市に出展します。

見本市への出展の申し込みは、開催期日の3~4ヶ月前が締め切りになります。

申し込んだ後は、ブースレイアウトや、カタログ、アンケート用紙等、どういう形で営業をしていくかを考えます。

見本市に出展するのに現場で商品以外に絶対必要なものは以下の2つです。

①カタログ

カタログは外国のメーカーのものを翻訳して、日本版を作って配ることになります。

ただし、カタログを作っても、チラシのように無駄に配らないことです。

名刺交換した人だけに手渡すなどして、アポイントを取る材料にします。カタログだけを渡すとそこで関係が完結してしまい、次の商談に中々結びつきにくいものです。これは実践的なテクニックですので、ぜひ実行してみてください。

②アンケート用紙(商談記録用紙)

見本市での商談時は必ず、記録を取りましょう。名刺だけもらって立ち話で終わってしまうと、後からアプローチしにくいのでお客様と何を話したかということを書いておきます。

相手が何に興味を持ったかなど、箇条書きで書くアンケート用紙を作っておくことをおすすめします。これはお客様に書いてもらうのではなく、相手と話しながら自分で書き込んでいくアンケートという名の商談記録です。

どういうものに興味があるのか、どういう業者なのかを書き込み、名刺を貼り付けておけば、100社以上のお客様があっても整理できます。


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