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貿易の基本を知ろう
貿易の世界ではどんな人が働いている?
目次
貿易の世界で働くさまざまな人
貿易の現場ではさまざまな人が、さまざまな立場で活躍しています。
まず、貿易は、輸出者、輸入者がいなければ成立しません。
しかし、この両者だけで貿易はできないというのも、また事実。
「貿易」の世界を知るうえで、その全体像を捉えることは、大切なことでしょう。
そこで、ここでは貿易業界の各プレーヤーについて、かんたんにご説明します。
荷為替手形の決済など、輸出者・輸入者の間で大切な役割を果たすのが、「銀行」です。
もっとも、お金がうまく回っても、肝心の商品が動かなければ意味がありません。そこで必要になるのが運送会社です。
運送会社には、トラックの運送会社だけでなく、船会社、航空会社も含まれます。特に四方を海に囲まれている日本では、このどちらかを使わない限り、貿易そのものが成り立ちません。
このほか、保険会社や通関関係の手続きを代行する通関業者なども欠かすことのできない存在です。
もちろん保険の加入は任意ですが、無保険の取引は現実的には考えられません。
また、場合によっては現地で買付けを代行してくれる買付代行業者や、貿易事務の代行をしてくれる貿易代行業者も必要です。
さらに貿易の専門家である貿易アドバイザーも、貿易活動の重要な一端を担っています。
貿易実務者に必要な能力とは?
貿易実務者に求められる能力としては、どんなものが挙げられるでしょうか?
コミュニケーション力
もっとも大切なのは、コミュニケーション力です。
これはどんな立場の人にも要求される、最低限の能力だと思います。コミュニケーションを円滑に行うためには、一定レベルの語学力が必要だと思います。
とくに事務職では、対面で相手と接するよりメールでのやり取りが多くなります。相手に誤解を与えないメールを送らなければいけません。
その意味で、英語の能力があると大変有利です。
相手の文化や習慣を理解する力
次に大事なのは、相手の文化や習慣を理解する力と、それを許容する寛容さでしょう。
世界には、日本の常識では考えられないような考え方・行動パターンをとる国があります。しかし、そういった知識がなく、自分の尺度だけで判断すると、誤解やすれ違いが起きてしまいます。
取引で生じるほとんどのクレームは、お互いに対する理解不足が原因で起きるものです。自分とは異なる考え方の相手と取引する場合も、それをある程度尊重することが、より良い関係を続けていくコツだと言えます。
交渉力
言うまでもないことですが、貿易はビジネスです。そうであるからには、やはり利益を上げなければいけません。そのためには、したたかな交渉力が不可欠です。
お互いに継続的な取引を望むのであれば、50対50、51対49くらいのバランスで交渉を進めることが最終的にはもっとも効果的です。