GLOSSARY
用語集
エスケープ・クローズ方式
関税に関する制度のうち、先進国側が開発途上国から商品を輸入する時に税率を引き下げられるものが特恵税率になります。開発途上国の今後の発展を支援するために制定され、GSPと称されているものです。
しかし、この制度を際限なく認めてしまった場合、収支や流通のバランスを大きく狂わせてしまう危険性もあります。
エスケープ・クローズ方式はこの特恵税率を緊急時に停止することができるという方式で、自国の産業を保護することを目的として適用されるものです。
特恵受益国が産出している軽減税率対象の輸出物が増加したことにより、輸入した側の国内産業にダメージを受ける可能性が考えられる場合などに処置が行われます。特恵受益国への援助は非常に重要なものですが、エスケープ・クローズ方式の適用によって自国が犠牲を払う状況が生じないように対処することが可能です。
同様の対策にシーリング方式もありますが、こちらは品目ごとに関税限度額が設けられ上限を超えた場合に適用されるのに対し、エスケープ・クローズ方式は輸入数量などに上限が設けられておらず、自国の経済状況に影響を及ぼすと判断されない限りは特恵停止処置が取られないというのが異なる点です。