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輸入取引応用編 関連業務
海上運賃輸送運賃算出の基準
海上運賃は、当該貨物の種類、形状、価格、包装などの要素によって、船会社の有利な基準が適用されて決まります。
貨物と一口にいっても、容積が小さく重量もないもの、容積が小さいのに重量があるもの、容積が大きく重量もあるもの、容積が大きいのに重量がそれほどないものなどと千差万別です。
これらを一律に、容積または重量だけで運賃が決められるのは不合理です。ですので船会社は、それぞれの要素を斟酌して運賃を算出しています。現在、運賃計算の基準は次のようになっています。
目次
容積建て
通常の貨物は、1立方メートルを1トンとする容積トン (フレート・トンという)を基準にして算出します。大多数の貨物は、この容積建てが基準になります。
重量建て
容積が小さいのに重量があるもの、つまり通常の貨物より重いものに適用されます。1000kgを1トンとして算出します。
従価建て
貴金属などの高額な貨物の場合、インボイス上のFOB価格に一定率をかけて算出します。
ボックスレート
コンテナ内の貨物の品目、容積、価格の如何を問わず、コンテナ1本あたりいくらと運賃を定める方法です。
また海上運賃は、この他にサーチャージとよばれる割り増し料金が加算されます。たとえば、為替レートの変動や原油価格の変動による損失のカバー、そして港によって特別に発生する割り増しなどがあります。
以下どんなものがあるか代表的なものを見ていきましょう。
①CAF(Currency Adjustment Factor)
海上運賃は、通常ドル建てになっています。そのために船会社では、為替差損をカバーするために、タリフ表(運賃表)の運賃料率を基準に、3ヶ月に一度、調整金として基準運賃に対する掛け率、もしくは金額を提示します。このサーチャージは、アジア航路ではYAS (Yen Appriciation Surcharge)とよばれていますが、同じものです。
②BAF (Bunker Adjustment Factor)
船会社が、原油価格の変動による損失をカバーするために、コンテナあたり、またはトンあたりに課す調整金のことをいいます。FAF (Fuel Adjustment Factor)とよばれることもあります。
③THC(Terminal Handling Charge)
コンテナ・ヤードでコンテナを取り扱うための料金です。CHC(Container Handling Charge)、ECHC(Empty Container Handling Charge)などともよばれているものです。
コンテナターミナル内で発生するコンテナの取り扱い費用の一部を、船会社が荷主に課金する料金のことで、積港と揚港の両方で発生します。国際的には、コンテナ運賃は、コンテナを運送人に引き渡してから、買主がコンテナを返却するまでの使用料を含んでいるので、THCの徴収は問題となっています。
船会社からすると、競争の激化によって基準価格を抑えているため、こういった名目で、別途徴収することで採算を維持しようとする目的があります。
その他、PSS (繁忙期に徴収される調整金)、DOC Fee(船積み書類取扱料)などがあります。
ですから船会社から見積り書をとるときは、サーチャージを含めた見積りをとる必要があります。