CASE OF FAILURE
輸入ビジネス失敗事例
商品の変質で、商品価値がゼロになってしまった場合の原因と対処法
輸入ビジネスでは、日本国内での取引では考えられないようなことが起こります。今回は、商品の変質で、商品価値がゼロになってしまった場合の原因と対処法をお伝えいたします。
目次
事例
イタリアからキャンドルを海上輸送で輸入したが、コンテナを開けてびっくり。全部溶けてしまっていて商品にならない。
輸入ビジネス初心者にありがちな失敗です。普通の生活をしていると、このようなことが起こるとは、想像できないからです。
日本は「ファー・イースト(極東)」
キャンドルが溶けた原因は、商品を輸送する船が赤道を通ったからです。
コンテナは、鉄板やアルミでできており、甲板上に船積されています。赤道を通過する際には、直射日光があたって、コンテナ内部は100度を超えるのです。
キャンドルのように溶けやすい商品以外でも、100度を超えれば何らかのダメージが発生し、品質が変わってもおかしくありません。
日本で見る世界地図は、日本が真ん中に描かれていますが、世界標準の世界地図は、中央にヨーロッパがあり、日本は東の端になります。日本にいると考えられませんが、ヨーロッパでは日本の場所を知らない輸出者も多いのです。
日本がどこにあるのか知らなければ、コンテナが赤道を通って日本に運ばれることを思いもよらなかったとしても不思議はありません。
対応方法
ヨーロッパから海上輸送されるコンテナは、赤道を通ります。その時、コンテナの中の温度は100度以上になるため、キャンドルのような溶けやすい製品は溶けてしまいます。
高熱でも問題ない製品は構いませんが、溶けたり変質したりすると商品価値がなくなるもの(ワイン、食品関連など)は、契約書で「リーファーコンテナ(冷蔵庫付きのコンテナ)」を指示しておきましょう。
リーファーコンテナでもリスクが考えられる場合、海上輸送ではなく、空輸を選択するケースも多いです。
事例のように輸送ダメージで、商品価値がゼロになってしまったものは、どうしようもありません。廃棄処分しかないでしょう。