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貿易の基本を知ろう
【保存版】貿易取引の流れと全体像:図解
目次
貿易のおおまかな流れを把握しよう
貿易は、当事者(輸出者・輸入者)だけでなく船会社や銀行、保険会社など多くの関係者の間で、さまざまな手続きが行われます。
個々の手続きについては該当する記事を見ていただくとして、ここでは取引の“全体像”を見てみましょう。
おおまかな流れを、以下の①~㉔にまとめてみました。
わからない専門用語はひとまず脇に置き、まずはこの流れを頭に入れたうえで他の記事を読んでみてください。
①輸出者・輸入者
売買契約が成立する。
②輸入者
銀行にL/C(信用状)の開設を依頼する。
③輸入地の銀行
信用状を発行し、取引のある輸出地の銀行に信用状を送付する。
④輸出地の銀行
輸出者に「信用状到着」の連絡を入れる。
⑤輸出者
信用状の内容が契約書通りになっていることを確認し、通関業者に輸出の手続きを依頼する。
⑥輸出者・輸入者
貿易条件によって、それぞれが保険の申し込みをして、保険証券を入手する。
⑦通関業者
税関に輸出申告手続きを行う。
⑧税関
書類内容や商品の現品を検査し、輸出許可書を発行する。
⑨通関業者
船会社に船積みの手続きを依頼する。
⑩船会社
貨物を受け取ったあと、B/L(船荷証券)を発行する。
⑪輸出者
B/Lを入手したら、輸出代金回収のための書類をそろえ、輸出地の銀行に荷為替手形を持ち込んで買い取りを依頼する。
⑫輸出地の銀行
書類を確認後、輸出者に手形代金を支払う。
⑬輸出地の銀行
書類一式を輸入地の銀行に送付する。
⑭輸入地の銀行
書類入手後、輸出地の銀行に対して手形代金を支払う。
⑮輸入地の銀行
輸入者に書類の到着を通知する。
⑯輸入者
輸入地の銀行に手形代金を支払い、B/Lを取得する。
⑰輸入者
D/0交換に必要な書類を通関業者に渡し、輸入手続きを依頼する。
⑱船会社
通関業者からB/Lを受け取ったら、貨物の受け取りに必要なD/O(荷渡指図書)を発行する。
⑲通関業者
輸入申告書を作成して、税関に輸入申告手続きをする。
⑳税関
書類内容や現品を検査し、輸入許可書を発行する。
㉑通関業者
輸入許可書とD/OをCY(CFS)に提出する。
㉒CY(CFS)
書類の確認後、通関業者に貨物を引き渡す。
㉓通関業者
貨物を輸入者が指定した場所に転送する。
㉔輸入者
貨物を検品後、問題がなければ納品や国内販売を開始する(問題があれば保険会社、通関業者や輸出者に連絡)。
各項目はかなり単純化した表現になっています。実際の手続きでは複数の選択肢や例外がありますので、必ずしもこの通りにはいきません。